公開日:2026/2/19
電力由来CO₂排出量を段階的に削減する生コン工場の挑戦
脱炭素導入までの流れ
・当社グループは横浜市内3工場を含む神奈川県内5工場体制で生コンクリートを製造・販売している事業者です。近年、生コンクリート業界では、ゼネコンからの環境対応要請が徐々に強まっており、将来的には脱炭素への取組が不可避であると認識していました。
・当社の主要なエネルギー源は、ミキサー、ベルトコンベア、空気コンプレッサやポンプなどの生産設備にかかる電力ですが、現状ではCO₂排出量の厳密な管理体制が整っておらず、基準年度(令和6年度)の排出量は133トンと高水準でした。
・既に市や県の補助金を活用した設備更新や省エネ最適化診断は一部工場で実施していますが、全社的な計画策定や削減目標の設定には至っていなかったため、伴走支援を通じて、現場で実行可能な省エネ施策と中長期的な改善計画を検討することになりました。
・今回の伴走支援では、アドバイザーからの提案に基づき、運用改善と投資改善を組み合わせた施策を進めることとしました。運用面では、①空気コンプレッサーの吐出圧低減、②空調室外機フィルター清掃、③省エネ型自販機への更新など、即効性のある省エネを図っていきます。投資面では、①セメントブロワーモーター(45kW)をIE1からIE3へ更新、②骨材供給ベルトコンベアモーター(11kW)の高効率化を計画し、逐次進めていく方向です。また、他にも、③排水処理設備攪拌ポンプのインバーター化、④デマンド監視装置の導入などの提案を受けています。
・特にポンプのインバーター化は、夜間・休日に回転数を80%に抑えることで電力使用量を約半減でき、CO₂削減効果は年間6トンと試算されました。これらを「脱炭素経営計画書」に反映し、検討を進めていきます。
・基準年度のCO₂排出量133トンに対し、令和7年度はセメントブロワーモーター更新で132.3トン(▲0.7トン)、令和8年度は骨材供給ベルトコンベアモーターの更新で132トン(▲0.3トン)、令和9年度以降は提案を受けた対策などを含め、126トン(▲6トン)以下を目標とし、検討を進めます。
・これにより、炭素生産性は基準年度比で約5.5%向上し、付加価値額当たりの排出効率が改善されます。さらに、契約電力削減や運用改善による省エネ意識の浸透は、長期的なコストダウンと競争力強化につながることが期待されます。
・当社は、市や県のSDGs認証を既に受けており、本件もその取組の一環であると共に、ゼネコンからの環境対応要請に応えることで、取引先からの信頼性や地元企業としての評価も向上することも期待できます。
・今回の取組は、現場で実行可能な改善策を積み重ねた内容となっているため、将来的な太陽光発電の導入やEV化等、更なる削減に向けた布石となる重要な一歩となるものです。
