CO₂排出量5t・電力コスト年間20万円削減の実践モデル
脱炭素導入までの流れ
・当社は精密板金加工を中心に試作から塗装・印刷まで一貫対応する高精度なものづくりを行っていますが、近年は、主要取引先からの環境対応に関する要請が徐々に高まってきている状況でした。
・社内ではこれまで省エネ意識が浸透していなかったこともあり、具体的な目標設定や実行体制の構築が課題でした。特に、電力使用量の多い照明や空調設備、コンプレッサーなどの更新や運用改善が急務であり、経営層から現場まで一体となった取り組みが求められていました。
・事業内の既存照明設備がすべて蛍光灯であったことから、この機会にLEDに更新することとしました。さらに、経年でエネルギー効率が低下したコンプレッサーを省エネ型に更新することとしました。
・運用改善の取組としては、空調機器の温度設定見直しやフィルター清掃、OA機器の待機電力管理などを徹底することとしました。
・加えて、現状4台保有しているガソリン車をハイブリッド車に切替ることも計画に盛り込むこととしました。
・取組の実行体制については、社内に「省エネ推進委員会」を設置し、PDCAサイクルを回すことで継続的に改善を図っていく予定です。
⇩社内工場の様子(上部 取組前の蛍光灯設備)
・今回の計画では、3年間で累計約5.2tのCO2削減が見込まれます。照明のLED化により1.7t、コンプレッサー更新により1.4t、空調・OA機器の運用改善により0.4t、社用車のハイブリッド化により約1.0tと、各施策により着実に効果が期待できる内容となりました。
・また、年間約20万円以上の電力コスト削減が期待され、設備投資の回収期間も5~6年程度と試算されることから、費用対効果の面でも無理のない取組となります。
・さらに今後は生産設備である「レーザー加工機」の更新を検討することとし、実施することで加工時間が約30%短縮され、将来的な収益向上につながる可能性もあります。環境対応と業務効率化を両立する本事例は、同業他社にとっても参考となる実践モデルです。
