株式会社ウイッシュボン 福浦工場
製造業

公開日:2026/3/16

エネルギー・CO₂排出量の削減期待効果(客観的データ)から、経営判断が難しい大規模設備の更新計画を策定

企業情報
企業名
株式会社ウイッシュボン 福浦工場
所在地
横浜市金沢区福浦1-2-6
TEL
045-353-7415
従業員数
98名(うちパートタイマー56名)    ※2月末時点
事業内容
洋菓子の製造販売

脱炭素導入までの流れ

取組のきっかけ・課題

・株式会社ウイッシュボンは、横浜市金沢区に本社・工場を構える洋菓子メーカーで、自社ブランド菓子の製造販売のほか受託製造も広く手がけており、安定した生産体制と高い製造技術を有しています。
・一方で、生産規模が大きく、空調・オーブン・冷凍冷蔵・ボイラーなど多様な設備を常時稼働させているため、エネルギー使用量とCO2排出量が多いであろうことも以前から認識していました。
・伴走支援の前段(訪問支援)で、電気・ガス・燃料の請求データを基にCO2排出量を可視化したところ、年間排出量は約490トンと、市内中小企業平均値の約3倍の規模であることが明らかとなりました。永野社長は「自社の脱炭素の取組が社会的にどれほど意味を持つのかを知りたい」との問題意識もあり、排出量削減によるインパクトの大きさを経営判断にどう生かすかが課題でした。
・また、設備の多くが導入後10年以上経過しており、更新時期と脱炭素対応をどう両立させるかが重要なテーマとなっていました。

取組内容

・伴走支援ではまず、電気・都市ガス・ガソリン・軽油の使用量を整理し、CO2排出量チェックシートを用いて排出源を詳細に可視化しました。内訳は電力398.5トン、ガス76.7トン、ガソリン12.3トン、軽油2.7トンで、特に8~9月の電力使用量が突出しており、空調の影響が大きいことが確認されました。
空調設備は工場・事務所等で計61台あり、CO2排出量は95.9トンと電力起因排出量の約4分の1を占めていました。加えて、照明設備(年間13.1トン)では、未LED化の3階事務所をLED化することで3.4トンの削減余地がありました。さらに、生産設備ではトンネルオーブンとラックオーブンが電力使用量の約6割を占めることがわかりました。
・これらを踏まえ、空調・冷蔵冷凍・照明・ボイラー・コンプレッサーといった広範囲の設備対象とした、7~8年間の段階的設備更新計画と年度別CO2削減計画を策定しました。

工場内に設置されている多くの設備

期待する効果

・本計画では、現在の年間CO2排出量490トンに対し、設備更新を段階的に進めることで確実な削減を図ることが可能となりました。具体的には、1年目に9.2トン、2年目に10.トン、3年目に8.5トンのCO2削減が見込まれます。
炭素生産性は、1年目の20.4%から3年目には47.0%まで向上する見込みです。設備投資額は、総額数千万円規模となりますが、10年償却を考慮した費用の試算では営業利益への影響は限定的であることも確認できました。また、投資財源は自己資金を基本としつつ、横浜市・神奈川県の助成金を活用する方針としたことから、環境対応と健全な財務運営の両立を図ることが可能となります。
・今回の伴走支援で、設備の計画更新を円滑に進める体制ができたことから、今後のエネルギーコストの安定化と低減につながるとともに、設備の突発的故障などBCP(事業継続)の観点からも経営リスクを下げられる効果が期待できます。
なかでも最大のメリットは、「どの設備を・いつ更新すれば、どれだけの効果があるか」が見える化できたことであり、事業成長に直結する「設備投資」を客観的数値やデータから経営判断できたことです。

当社の主力商品(横浜レンガ通り)

経営者からの一言

<自社取組のなかで大変だったこと>
機器の情報はある程度竣工図から読み解くことができたが、生産機械別の稼働率などは把握できず、どのくらいの影響があるか仮定しながら進めるのが難しかったです。

<伴走支援を活用して良かったこと>
機器の入れ替え計画をまとめて計画的に作成する一助となり、補助金・助成金申請の入り口にもなったことが大きな成果といえます。

<今後の展望>
中長期計画で既存設備の入れ替えを行い、継続的に安定した生産体制を構築していきます。

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