「企業と共に歩む脱炭素化への道。伴走支援で見えてきたこと」
公開日:2026/2/26
脱炭素担当としての気づき
私はこれまで脱炭素担当者として多くの企業を訪問し、様々な気づきを得てきました。
支援先は、規模や業種も多岐にわたり、抱えている課題は一社として同じものはありません。
脱炭素化に取り組むにあたって「これをやれば解決する」という万能策は存在せず、経営者の方々と丁寧に対話を重ねながら、課題を整理し、最適な改善策を共に模索していくことが不可欠だと感じています。
IDEC横浜の脱炭素経営支援では、3回の伴走支援を実施しています。この継続的な伴走型支援を通じて見えてきたのは、単なる省エネや設備更新にとどまらず、その企業ならではの経営課題や組織構造を踏まえた解決策を考えなければならないということです。
私自身、訪問を重ねるたびに、「脱炭素化とは単なる環境対策ではなく、企業経営の本質に深く関わる取組」であると実感しています。
さらに、支援を通じて感じるのは、企業の方々の関心の高さです。
「これ以上何ができるのか?」「画期的なCO₂排出量の削減方法はないのか?」といった質問も数多く寄せられます。
正直なところ、「これ以上大きく減らすのは簡単ではない」と思う場面もありますが、それでも私たちは専門家(脱炭素経営アドバイザー)と一緒に検討を重ね、微々たる削減でも少しずつ形にしていくことを大切にしています。
このプロセスこそ、IDEC横浜の伴走支援の特徴です。
製造業と情報通信業の脱炭素事情
脱炭素支援を行う中で、特に印象的なのは、製造業だけでなく情報通信業(IT業界)の企業も、脱炭素経営を求められているということです。
一般的には、製造業は多くの資源とエネルギーを使うため、CO₂排出量も大きく、その削減の必要性は明確です。
一方で排出量が比較的少ないとされるIT企業も脱炭素化に向けた取組の対応が求められるケースが増えています。
これは、「サプライチェーン」上の構造による影響が大きいと感じています。
製造業の場合、大手企業の脱炭素化方針が、すべての取引先企業にまで直接伝わるとは限りません。
取引先が増えるほど、大手企業の脱炭素方針がサプライチェーンの川下の事業者まで届きにくい状況があります。
一方、IT企業は比較的フラットな取引構造で、脱炭素への要求が直接届きやすいためだと考えられます。
こうした背景から、IT企業の方からも、「CO₂排出量の削減には限界がある中で、どんな取組ができるのか」といった相談を受けることが増えています。例えば、テレワークの導入やクラウドサービスの活用など、直接排出量の削減につながる取組もありますが、それが必ずしも期待通りに減らない場合もあります。テレワークを実施することで、事務所内の電力使用量は削減できる代わりに、社員の家庭では逆に電力使用量が増えてしまうからです。
このように、脱炭素化の取組には単純な答えがなく、企業ごとに最適な方法を探す必要があります。
CO₂排出量の削減には限界があることに気づく
脱炭素支援を進める中で、私が痛感したのは、CO₂排出量の削減には限界があるということです。
どれだけ工夫しても、排出量をゼロにすることは現実的には難しく、これは、ダイエットに例えると「減量には限界がある」という感覚に近いかもしれません。どんなに運動して食事を制限しても、体には最低限のエネルギーが必要なのと同じで、企業活動に必要なエネルギーや設備を使わずに事業活動を進めることはできません。
もちろん、再生可能エネルギーの導入や省エネ設備への切り替えなどで削減できる部分はありますが、支援先から「これ以上何ができるのか?」と相談を受けるたびに、「正直、もう大きく減らせないのでは」と思うこともあります。
しかし、だからこそ、ここで伴走支援の価値が見えてきます。専門家と一緒に、微々たる削減でも可能な方法を検討し、少しずつその改善策を積み重ねることで、すぐに効果は現れなくても、着実、かつ確実に脱炭素化の取組を前進させることにつながるのです。
伴走支援の価値と未来への思い
IDEC横浜の伴走支援の特徴は、支援先の現場に入り込んで経営者とも丁寧に対話すことにあり、課題を一緒に整理しながら最適な方法を探ることで、机上の理論では得られない価値があります。「何から始めればいいかわからない」という企業に寄り添い、共に考え、悩みながら答えを見つけていく。これこそ、IDEC横浜の伴走支援だからできることです。
そして読者の皆さんに伝えたいのは、一企業での脱炭素化の取組には限界がある事を理解した上で、それでも挑戦する価値があるということです。CO₂排出量の削減の努力は、未来のための小さな一歩ですが、積み重ねることで、企業も社会も、少しずつ持続可能な方向に進んでいけると私は信じています。
私たちIDEC横浜は、これからも横浜市内企業と共に歩みながら、現実的で効果的な脱炭素経営をサポートしていきます。
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