Scope2を基礎から解説 ― 電力使用量の把握と削減の考え方 ―(第2回)

公開日:2026/3/19

Scope1・2・3を基礎から解説 (全3回)の第2回では多くの企業で排出量の大部分を占めるScope2について整理していきます。
前回のScope1について解説したコラムはこちら

Scope2とは何か

Scope2は「他社から供給された電力・熱・蒸気の使用に伴う間接排出」を指します。

自社で燃料を燃やすScope1とは異なり、発電所などで排出されたCO₂が電力使用量に応じて配分される考え方です。中小企業の場合、ほとんどが購入電力による排出が該当します。
主な対象

  • 電力会社から購入する電気
  • 地域熱供給(蒸気・温水) ※該当する場合

なぜScope2が重要か

電力使用は日常的であり、排出量の中で最も大きな割合を占めるケースが多いのが特徴です。
つまり、Scope2を把握することが「排出量全体の傾向をつかむ近道」 「削減効果が最も出やすい分野」といえます。

まず何を確認すればよいか

Scope2の算定は比較的シンプルで、次の情報があれば対応できます。

  1. 年間電力使用量(kWh)
  2. 電力会社の排出係数

電力使用量は検針票や請求書から確認できます。
複数拠点がある場合は、拠点ごとに整理すると削減ポイントが見えやすくなります。

電力会社ごとの排出係数を個別に調べる必要はなく、年間の電力使用量が分かればCO₂排出量を算定することが可能です。

Scope2の特徴と削減の方向性

Scope2は電力使用量に比例するため、削減策は大きく2つに分けられます。

① 使用量そのものを減らす

  • 空調温度の適正化
  • 高効率空調・LED照明への更新
  • コンプレッサーの運転改善
  • 待機電力の削減

運用改善だけでも10%前後の削減につながるケースがあります。

② 電力のCO₂排出係数を下げる

  • 再生可能エネルギー電力プランへの切替
  • 自家消費型太陽光の導入
  • 非化石証書の活用

Scope2は購入電力に伴う排出であるため、電力の契約メニューを見直すだけで、設備投資を伴わずにCO₂排出量を削減できる可能性があります。

中小企業でよくある課題

訪問支援の現場では、「電気代は把握しているが使用量は見ていない」というケースが多く見られます。
使用量の推移を追うことで、設備更新や運用改善の効果が確認できます。

IDEC横浜の訪問支援・伴走支援では、課題を整理し、自社のエネルギー使用量の「見える化」のアドバイスを行っています。
Scope1とScope2を把握することで、自社の排出構造の大枠が見えてきます。

次回予告

次回は、サプライチェーン全体に関わるScope3について解説します。
(2026年3月23日更新予定)

 

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